10日目−8月10日（日）− | ||||||||||||||||||
起床朝7時前に車の走る音で目が覚める。あたりを見回してから「そういえばここは橋の下だ」と思い出す。 やけに寝心地がよかったが、そういうものだろうか。かのお大師様も橋の下で寝たっていうし。体を拭いて歯を磨き、適当に体を動かす。 
アンダー・ザ・ブリッジ[6:59] 
お邪魔しました[8:03] 
いい天気[8:12] 
なんか出とる[8:23] 
交差点[9:17] 
でも歩道があるから安心[9:32] 
ちぎられた空[9:45] 
パラソルの下は氷点下[9:59] 
歩道はここまで[10:00] 
垂らした前髪がおしゃれ[10:21] 
峠に到着[10:34] 
標高287mらしい[10:35] 
そして実際に大盛りにしてくれた[10:38] 
寺です[10:43] 
香川じゃないけどね[10:54] 
崖崩れ[11:38] 
[11:58]
ど太いロウソク[12:00] 
納経所にあった張り紙[12:05] 
広い道路[12:18] 
小川[12:46] 
また山[13:31] 銭湯にて100kmという距離を頭の中で色々に解釈しながら走っていると、銭湯を見つけた。そういえば最後に風呂に入ったのが 5日の夜だから、もう4日も風呂に入っていない。そろそろ入っておかないと色々とまずいかもと思い、 自転車を停めてお店に入り、受付でお金を払い、脱衣場へ。服を脱いで浴場へ入り、体を洗って湯に浸かる。 体中にこびり付いていた汗や汚れと同時に、疲れや不安とかいったものまで全て洗い流されていくような 心持ちがする。この感じは４日風呂を我慢しないと到底味わえないなと思った。
壁に貼ってあった人生訓[13:40] 
ありがとうございます[14:24] 
お菓子も売ってる[14:30] こんな汚い字の札じゃご利益も何もあったもんじゃないですがと前置きして、洗濯機のお礼にと納め札を渡す。 おばちゃんも仕事があるから長話はやめようと思い、マッサージ器に戻って再び冒険の旅に戻る。 洗濯が終わり、乾燥機にかけ、同じように時間を潰し、乾いたところで服を取り出し、見送りまでしてくれた 受付のおばちゃんにお礼を言って、胸の中でこの銭湯の商売繁盛を願い、銭湯を後にする。 再び山登り今いるのは四国の南西に位置する岬、足摺岬より少し北東のあたりだ。足摺岬には次の３８番札所金剛福寺が あるので、そこへ向かうために現在南西に進んでいる。時刻は既に15時過ぎ。今日中に着くのは無理だろうから、 諦めてのんびりと走る。途中、地域の民話を伝える看板が目に入った。 
この絵どっかで･･･[15:45] 看板を後にして更に南下していく。 
手前は線路[15:49] 
「拳ノ川小」[15:57] 徐々に坂がきつくなり、自転車から降りて本日二度目の山登りを開始する。トンネルの前に東屋があるのを 見つけ、少し前に銭湯に入ったばかりだというのにも関わらず、腰を下ろして休憩する。 
洗練されたデザイン[16:24] しばらく走ると、坂は段々と緩やかになり、次第に下り坂になった。自転車に跨って下っていく。 
亀だ、絶対亀だ[16:31] 
雲が増えてきた[16:42] 
いやな天気だ･･･[16:50] 
初日に食べて以来だ[17:08] 
退く雨雲[18:00] 
波も穏やか[18:16] 
それぞれの写し方[18:18] 
空を見下ろす[18:18] 
マチカネフクキタルの名が[18:19] 
馬だ[18:20] 
隣の芝生はうまい[18:20] 
こいつに乗って寺回りたい[18:22] 
地面が薄っぺらく見える[18:24] 
空に穴が空いたみたい[18:27] 
アヒル雲の出現を境に[18:45] 
一気に色が変わり[19:01] 
闇に侵食されていく[19:27] 夜のピクニック日が沈み、辺りはすっかり暗くなった。夜は景色も見えないし、気分が落ち込むし、 何より事故が怖いのであまり走りたくないが、つい欲を出して「もう少しいける」と走ってしまうのだ。土佐清水市に差し掛かるあたりで、新伊豆田トンネルを通る。長さ1620m。長距離走とほぼ同じ距離だ。 長距離走と違うのは、自転車を押して歩くことと、辺りが薄暗い上に終わりがさっぱり見えないことだ。 トンネルの奥を見ると、トンネルのライトにぼんやりと照らされた道が消失点まで続いている。 昔の思い出とかを振り払い振り払い、そろそろ出口が見えてもいいだろうと思ったあたりで、 
半分だそうです[20:25] やっとのことでトンネルを抜けると、道の傾斜がなくなった。お荷物だった自転車に跨り、夜の国道321号線を 走る。 コンビニにてそういえばまともに晩ご飯を食べていなかった。夕方にたこ焼きを食べたっきりだ。空腹のまま走るのは 良くないので、簡単にでも何か食べようと思い、コンビニに寄った。そこで豚の串焼きを買い、 店外に併設されてあったベンチに座り、かぶりついた。3つある塊のうち2つ目まで食い終わったところで、ベンチ横に人が立っていることに気がついた。 歳は40前半ほど、痩せ気味で少し気の弱そうな男性が、タバコを吹かしながら空を見上げている。 特に何も考えずに「星、きれいですね」と話しかけると、 おじさんは「隣、いいかな」と僕の横に腰掛けた。 おじさんは、いい人だった。僕のお遍路の話を静かに聞いてくれた。喋り方も穏やかで、小学校の先生のような 人だった。だが、なぜか次第に話題は宗教の話へと移り、終いにはおじさんの属している 何とかっていう仏教の宗派の話になり、つまるところ、勧誘された。 「表紙だけでも見てってよ」と、その宗派に関する冊子を車から持ち出そうとしたが、 「荷物になるから」と断った。「何だったらうちに泊まって詳しく話をしてもいいんだよ」とまで言われたが、 少し怖くなってしまい、遠慮した。 隣に座ったおじさんの反対側には、20代半ば頃に見える青年が立っていて、今度はそっちに話しかけてみた。 何でも、彼は仲間と車で四国を一周している途中らしい。「俺、自転車なんで車は羨ましいっす」だとか 「星やばいよね」だとか話していると、先ほどまで黙っていた隣のおじさんが話に加わってきて、 今度はその青年を勧誘し始めた。僕は少し嫌になって自転車に跨ってその場を後にした。 おじさんのあの人の良さは、彼の持つ人柄によるものなのか、勧誘用に仕立てた人格なのか、 どっちなんだろうという疑問と、半ばおじさんを擦り付ける事になってしまい、青年には悪い事をしたという 反省を両脇に抱えたまま、、夜の道路を走った。 バス停にて疲労が限界に達しようとしたところで、小さなバス停を見つけた。ベンチの上に屋根が覆いかぶさっていて、 ここで野宿できそうだと判断し、自転車を停める。ラジオを録ろうと試みるが、目の前の道路は車の往来が 激しいために、雑音だらけで何が何だか分からないものが録れた。さて寝ようとベンチに横になるが、車の排気音がうるさいのと、先ほどのコンビニの一件の動揺とで 眠ることができず、再度自転車に跨って走り出す。このとき時刻は既に22時過ぎ。 眠れないがために自転車に跨ってみたが、疲労で走ろうにも走れず、結局マンションの駐車場に勝手に 入り込み、銀マットを敷き、隅で縮こまるようにして寝た。 一日の走行データ
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