9日目−8月9日（土）− | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
起床朝6時に目が覚める。布団代わりのテントを畳み、軽くストレッチしてから水道へ。歯を磨いた後に 濡らしたタオルで体を拭く。清清しい朝の公園で半裸になるのは、とても気持ちがいい。昨夜の よさこいの喧騒は跡形もなく消え去っていて、朝の公園らしい静けさだけが残っていた。出発の準備が終わり、公園を後にする。 32番へ昨日通ったトンネルをくぐり、東にある32番のお寺へ向かう。
いい朝[6:55] 
そして山[7:08] 
[7:20]
蓮に隠れて様子を伺う[7:30] 
欲しい[7:46] 
快晴[7:55] 
おわす[7:59] 
今朝の献立[8:12] 浦戸大橋これから向かう寺は湾を越えた先にあるらしく、通常は無料の県営フェリーで向こう岸へ渡れる そうなのだが、今日の8月9日まで運航休止だという。だから橋を使えと、地図にそう書いてあった。
橋ってあれか[8:27] 
道幅が狭い[8:31] 
平均台を並べた程度[8:37] 
怪我した[8:50] 33番へ橋から先は、随分景色が違っていた。急にホテルがあちこちに現われ、観光地の様相を呈してきた。
いい天気[8:59] 
波も穏やか[9:02] 
連れ添う二人[9:11] あちこちにある看板から値段の相場を測り、もし自分が行くならどんなホテルか。そして自分がホテルを 経営するなら、どういう経営をするかを考える。基本的に走ってるときって暇だから、そんなことを考えては 気を紛らわせる。 そんなこんなで33番のお寺に着いた。 
[9:43]
納経所。奥には団体さんの納経帳が[9:52] 34番へ寺を出て再び走り出す。地図を見ると、次の34番はそんなに遠くない事が分かり、安心する。
地元を思い出す[10:12] 
こんがり[10:25] 
[10:29]
この無敵感[10:45] 36番へ
仁淀川だ[11:54] 
好きな三色[12:35] 
作り物みたい[12:48] 
いえいえ[13:17] 
[13:18]
町を渇望[13:25] 
あっちも多分同じこと考えてる[13:27] 36番へ36番へ向かって走り出すが、なぜか眠くて仕方がない。原因はさっきのハンググライダーたちがクロロホルムを 土佐市中にばらまいているからだろう。疲れた現代社会に安らぎを、とかそういうアレだと思う。冗談を抜きに しても、実際僕も登山で疲れていたし、眠いまま走るのは危ないので、目に入ったコインランドリー脇に置いてあった ベンチに横になって仮眠を取る。そして、1時間ほど眠ったところで目を覚ます。 
なかなか寝やすかった[14:39] 
温室育ち[15:09] 
トンネル[15:37] 
お祭りの会場。楽しそう[15:59] 
あれを渡ります[16:08] 
渡ってます[16:11] そして36番のお寺に到着した。 
[16:25]
格好いい[16:26] センチメンタル寺を出て、さっき来た道を逆戻りし、大きな橋まで辿り着く。橋の下には海水浴場のような川辺があり、 テントを張りやすそうだったので、そこで野宿することにした。
バサッと[17:12] そうしていて目に入るのが、楽しそうな家族連れだ。そういえば今日は土曜日だったっけ。和気藹々とした 光景を見ているうちに、昔自分が小さかった頃に家族と行った旅行とかを思い出して、何だかせつなくなり、 この幸福に包まれた川辺に自分の居場所はないように思え、居ても立ってもいられなくなり、 テントを畳んで逃げるようにして立ち去った。 橋を渡り、次のお寺を目指す。まだ余力も残っているので、行けるところまで行こう。湾に沿って伸びる 道をひたすら走り続ける。足を動かさないと、色々な悪い考えに頭を支配されそうで、追いかけてくる 霧のようなそれらから逃げるようにして暗くなり始めた道路を走りぬける。 途中、二件のお店が目に入った。小さなコンビニと小さな個人経営の商店だ。まずはコンビニに入って エネルギーになりそうな食料を探すが、時刻は既に7時過ぎ。パンやおにぎりはほとんど売り切れて しまっていた。次に隣の商店に入り、そこでパンを3つを買う。代金を払おうとすると、店のおばちゃんが 「持っていきなよ」とパック入りのコーヒー牛乳をくれた。いつもなら「いやあすいませんねえ」なんて ふてぶてしい態度を見せるのだが、この時はすごくセンチメンタルな気分だったので、くどいくらいに 頭を下げてお礼を言った。 お店を出て少し走り、湾に面した堤防に腰掛けてさっき買ったパンを食べる。 
月がきれい[20:56] 湾から離れてしばらく走ると、トンネルが見えた。その中を走る。車もほとんど通らず、暗いトンネルの隅を 夜中に1人で走る心細さは人並でなく、嫌でも昔の嫌な思い出とか後悔とか、そういった悪いイメージが じわじわと頭に入ってきて、やはりまた逃げるようにして走った。 トンネルから出ると、民家の明かりがぽつぽつと見えた。そのうちの一軒から、土曜だというのになぜか 「サザエさん」の歌が流れてきて、僕がこうやってダークネスやってる時でも世界は関係ないんだな、と 思った。そして空を見ると、これまで見たこともないような満天の、満天の、満天の星空が広がっていて、 そこで泣ければ話としてまとまるんだけど、かといって泣くこともせず、すげえなあと思いながら走った。 星に感化されたのか、すっかり気分はよくなった。それでしばらく走ると、町に出た。 町には大きなセメント工場があり、月明かりに照らされたそれはクッパ城のようだった。 ちょっと迷ったが、地図を確認して正しい道に合流し、町を出る。 町を出たところで、道の駅があるのを見つけた。道の駅で野宿するという話はよく聞く。僕もその恩恵に 与ろうじゃないかと、張り切って行くが、トラックの運ちゃんやら何やら、 人気が多くてとてもじゃないが眠れそうもない。仕方がないので 道の駅は諦め、そこから少し行った先にある橋の下へ潜り込み、テントを張って寝た。 一日の走行データ
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