14日目−8月14日（木）− | ||||||||||||||||||||||
起床午前6時、目を覚ます。寝心地は想像以上で、これまでしていた野宿のとは比較にならないほどだ。 「こんなにナイスな小屋を建てるなんて、建築ってすげえ」と心から感心したし、 「こういうのってどうやって建てるんだろう」という疑問や興味なんかも湧いた。 大きな小屋は無理でも、犬小屋ぐらいだったら僕にも作れるかもしれない。 「俺、このお遍路が終わったら、コロに犬小屋を作ってやるんだ･･･」なんて。
もう一泊したいくらい[6:05] 
チキンタルタル、鶏五目、かつおとグレープ水[6:53] 44番へ小屋でぐっすり眠れたおかげか、ものすごく調子がいい。ぐりぐりとペダルを回し、どんどん進んでいく。
走りやすい歩道[7:34] 
こっちっすね[7:51] 
道の駅内子（うちこ）[8:00] 同じく10分ほどかけて道の駅まで戻り、そこで改めて地図を見て道順を確認。 そして、さっきの道でよかったことが分かり、安心する。 お遍路を始めたばかりの僕だったら迷わず突っ走っていたところだろうが、 これまでの度重なる迷走によって臆病さを身に着けた今の僕なら、 もうそんなことはしない。したくでもできない！ 再び同じ道を、今度は自信を持って走っていく。 
ぼくのなつやすみ[8:44] 
正面衝突しそうで怖い[9:02] 
夏だなー[9:40] 
Bは40キロ･･･いや、そんなないかな[9:50] 
すごく走りやすい[10:31] 
カマドウマ？[10:54] だけど、どういう訳かお遍路中に出会ったものは、すべてが愛おしく感じられてしまう。 少なくとも僕はそうだった。 奇妙な形のこの虫さえ可愛く思えてならない。しゃがんで、心の中で「足長いっすね」なんて声をかける。 そして自転車に跨り、自分の足を見下ろした後でため息をつき、再び走り出す。 ある橋を渡っていると、橋から釣り糸を垂らしているおじさんがいるのが分かった。横にはバケツが置いてあり、 中には鯉が入っていた。僕が「釣れるんすね、鯉」と言うと、「欲しいならあげるよ」とおじさんは言った。 恐らく、釣ったはいいが、放すのももったいないのだろう。キャッチアンドモッタイナイというやつだ。 「食い方が分からないのでいいです」と遠慮して、その場を後にする。 少しお腹がすいてきたなというところで、休憩所を見つけた。これ幸いと寄っていって自転車を停める。 予めコンビニで買っておいたカロリーメイトと昨日みかん屋でもらったみかん、そしてグレープ水もどきを テーブルに並べ、簡単な昼食をとる。 
完璧な栄養バランス！でもない[11:39] 
すごく大きなみかん[12:07] 
と見せかけて実はこのサイズ[12:07] 
塩！[12:11] 
山を眺めるアーロン号[12:12] 
これは･･･！[12:17] ところで、お遍路は「同行二人」という精神に基づいて行われる。 「いつでもお大師様（空海）が傍にいてくださいますよ」という ものだ。その考え方でいくと、僕は空海と一緒にエロ本を広げたことに･･･ならないな。 休憩所に戻り、地図でルートを確認する。この先には44番と45番のお寺が待ち構えているのだが、 道順からすると先に45番を打ったほうが良さそうだ。大まかな地図を頭に入れ、自転車に跨り、走り出す。 
行くぞ[12:24] 
ふたつ[13:40] 
ひとつ[13:41] 
こんにちワン[13:47] 
坂だ[14:17] 
[14:31]
階段さっさと参拝してしまおうと思ったら、「ようこそ」とある看板の場所からお寺の本堂へ行くには ここから更に20分ほど歩かなくてはならないらしい。しかも階段で、だ。片道20分ってことは、 往復で40分かかるってことじゃないか。次のお寺に間に合うか不安になってきた。
せめて坂がよかった[14:34] 
まあ木でも見ててよ[14:35] 
長い[14:37] 
多い[14:42] 
高い[14:54] ･･･さて、どうしようか。「馬鹿と煙は高いところに昇りたがる」というやつではないが、 ここで昇らなかったら一生後悔するのは明白だ。だけど、こんなの絶対怖いに決まってる。 僕の通っていた小学校にも大きな雲梯（うんてい）があったけど、あれよりでかいんだもの。しかもこれ木製だし。 そんなことを考えながらも、まあ結局は登るんであろうことには気付いている。 腹をくくり、梯子の一段目に足を乗せ、少しずつ登っていく。 予想に反してすんなり上まで登ってしまった。 
そして特に景色がいい訳でもなかった[14:56] やっとのことで梯子を降りきったところ、これから登ろうとしていた中年夫婦が、僕のあまりの怖がりぶりを 見てＵターンして帰っていった。恥ずかしいので「･･･怖いふりだよ、ふり！」的な顔をする。 まあ、無事に登れてよかった。これで後悔もしなくて済むはずだ。 納経所に行って受付に納経帳を差し出すと、美人の若い女性が納経してくれた。バイトだろうか。 街でみんなと遊びたい年頃だろうに、カラオケもボウリングもない山のお寺で仕事してるなんてすごい。 納経を終えた直後に現われた蜂に追いかけられながら、そう思った。 また20分ほどかけて階段を降りていく。途中で自転車と合流し、ガタガタ降りてふもとに到着。 時刻は15時半。あと1時間半で44番のお寺へ行かなくてはならない。頑張って間に合わせよう。 山に挟まれた車道を自転車を押しながら歩く。時おり腕時計で時間を確認し、歩くペースもその都度調整する。 そして、1時間ほど歩いたところで44番のお寺の入り口が見えた。 
おお[16:25] 
[16:32]
変形しかねない本堂[16:34] 
古い山門[16:50] 二人と別れて少し走ると、突然雨が降ってきた。 ひとまず脇にあった売店に避難させてもらい、そこで雨対策を講じる。 頭にタオルを巻き、穴あきのゴミ袋を被り、寝床を探して走り出す。 寝床探し雨は降っているが、でも今日のお寺は回り終えた。後は適当にご飯を食べて、適当に寝るところを探そう。 そこまで疲れてもいないから宿はとらず、今夜も野宿でいきたい。何だかんだでこの寝床探しは、 切羽詰まっている時はそうでもないが、余裕のある時だと楽しい。いかにも旅人っていう感じがするからだろう。山を下るにつれて雨は小降りになり、ふもとまで下ったころには止んでしまった。 
晴れてよかった[17:27] 
お邪魔します[17:38] 
何て贅沢なんだろう[17:48] 
すきなポケモンを えらんでください▼[17:55] 
ねこの にらみつける こうげき！▼[18:13] 
そろそろ日が沈む[18:26] 
立派なオムライスになってください[18:29] 一日の走行データ
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