3日目－8月3日（日）－ | ||||||||||||||||||||||
起床起きる。携帯で時間を確認すると、時刻は6時半。しまった！朝食は6時からであった。 急いで部屋を出て食堂へ向かうと、朝食はきちんと用意されていて、女将さんが 「寝坊しちゃったの？」と笑っていた。なんだここは！まるで実家だ。ありがとうございます。 朝食は和食で、ご飯と味噌汁と焼き魚とその他諸々という、オードソックスで ベストなメニューだった。女将さんや食堂のおばちゃん、あと秋刀魚に感謝しつつ 食べた。ウマし。朝食を食べ終えると部屋に戻って出発の準備をした。今日は延々と山登りをする予定だが、 体の調子もいいみたいなのでなんとかなるはず。よし！と気合を入れ、感謝の言葉を 書き連ねた納め札を部屋の机の上に置き、女将さんに見送られて民宿を発った。 11番のお寺へまずは、昨日時間切れで打てなかった11番のお寺に向かう。民宿を出てすぐのところにあったので 問題なく寺に辿り着き、お参りする。
線香をさすとこ[7:17] 猛進と妄信さあ次は12番の焼山寺だ！この時の僕の気合の入れ様は物凄く、戦に赴く野武士のような 形相で国道を走った。「大将の首取んべやー！」っていう感じだった。地図で方角を確認する。 どうやらこの道路をひたすら西に走ればいいらしい。話は変わるが、自転車は乗る人間によって燃費もスピードも大きく変化する乗り物である。 体力のある人が乗れば長時間走り続けるし、脚力のある人が乗れば原付並みの速度が出る。 当時の僕はもう兎にも角にも調子が良く、スーパーカーのスピードでスーパーカブの燃費を持った、 いわばスーパーカーブーな状態でペダルを漕ぎ続けた。どれだけ走ってもお遍路の道しるべが見えないのが 唯一気がかりだったが、そのネタは昨日やったし、さすがに二日連続はないだろと思って走り続けた。 
さすがにね[7:38] 教えてもらったとおりに道を進み、結局民宿付近まで戻り、なんとか12番の寺へ向かう遍路道に 行き着いた。 
ほぼ一時間迷走したけど[8:26] 
やっと正しい遍路道に合流！[8:29] 
これを登ってくみたいです[8:29] 「でも、ただドライバーでネジ回しただけだよな･･･」と酔いもすっかり覚めた頃、やっと登山を開始した。 僕の乗っている自転車は一応スポーツ車に分類されるはずなのだが、ここの傾斜は結構キツく、一番軽い変速でも 立ち漕ぎして何とか進む程度なので、ここは無理せず押して歩く事に。 乗り物ではなくすっかりお荷物と化した自転車を押しつつ登る。 登り始めてから数分後、一台の車が 僕を追い抜いていき、数メートル先で止まった。その横を通り過ぎようとすると、中からおばちゃんが 「ジュースでも飲んでよ」と、100円硬貨2枚を僕に手渡し、お礼も充分に言いきれぬままに去っていった。 しばし呆然として小さくなっていく車を見送る。 「なんなんだ！」少ししてからこれがお接待だったことに気付く。 無条件で人に優しく接する事のできる人々が世の中にいるとは噂に聞いていたが、 四国はそんな人たちで溢れかえっているのか。損得でしか物事を勘定できない僕はひどく衝撃を受けた。 ガビーンって。ガビーンってなりつつ飲んだジュースは、おいしかった。 生活の知恵真夏の太陽を背にひたすら車道の端を登っていく。と、小さな段差が目に入った。 気にせずにゴトンと乗り越えたのだが、その時を境に自転車から異音がするようになり、 どっか壊れちゃったかなーと自転車を停めて見てみると、車体の右側のキャリア（荷台）のネジが外れていた。
ここのネジがないと、キャリアにくくりつけたバッグがタイヤに擦れてしまって、
走るのは勿論、押して歩くことすらままらなくなってしまうのだが、どうやらそのネジがどっか
行ってしまったらしい。参ったな･･･。すまん相棒。これが旅に慣れたベテランの自転車乗りであったなら、 予め持参しておいた予備のネジで代用して何の問題も無く登山を再開するのだろうけど、 君に乗るのは残念ながら素人も素人、パーツの名称すらろくに覚えて無いような僕なんだ。 予備のネジどころかパンク修理セットすら持ってきていない。本当にごめん。 申し訳なく思ったところでネジが空から降ってくる訳でもなく、どうしようか考えた結果、 
だが、やはり枝は枝。大きな段差を乗り越えたりすると、衝撃でぽっきり折れてしまう。だから なるべく大きな段差は避けて、慎重に進んだ。ちょっと調子に乗ってズンズンと進もうものなら ポッキリ折れて膝を抱えて枝探し。ああこれはまるで僕の人生そのものだな、なんて事も考えたりしつつ、登った。 虫との戦い山って、虫が多い。そんな当たり前の事をすっかり忘れていた。特に多くて厄介なのが蚊で、みんな 勝手に吸ってくもんだから、常に「御注文されてないお客様はドリンクバーの利用をご遠慮願います」状態 だった。でも、あいつらは満足した奴から帰ってくからいい。もっと厄介なのが蝿である。あいつらは いつまで経っても帰らない。お前らファミレスにたむろする中学生かってくらい僕の周りを ぶんぶんと飛び続ける。「ただでさえ炎天下で荷物多くて重労働でお腹一杯なのに、これはまた えらいデザートが出ましたね（笑）」という心境であったが、怒ると余計に体力を消耗するだけなので、 なるべく気にしないようにした。が、耳元でプゥーンという羽音を立てられると、脊髄反射でイラッと してしまう。こればかりはどうしようもなく、荒ぶる脊髄を宥めつつ登った。 登り始めて1時間はそんな次第だったのだけれど、あまりに延々と歩き続けるものだから、 そのうちに虫を煩わしいと思うほどの余裕がなくなり、気がついたら全然虫に気付かなくなっていた。 気がついたら気がつかない。おかしな日本語だけど、なんかそうなっていた。そしてひたすら登り続けた。 
森の洪水[9:12] 梨の峠灼熱の太陽に焼かれ、日焼けした腕がヒリヒリと痛む。水は飲んだ分だけ顎から垂れる。登っても登っても 頂上は見えない。クラスのみんなは今頃夏休みを満喫しているだろう。カラオケにボーリング、花火に海水浴。 一方の僕はお寺回り。こんな事をして何になるのか。もっとやるべき事が他にあっただろう。 いろんな事を考えて、忘れて、また考えてを何度も何度も繰り返した。すると、一つの看板が目に入った。 
あ･･･[10:10] ･･･峠だ！！あまりに唐突な上り坂の終焉に虚を衝かれる。 と同時に自転車に呼びかける。出番だ、相棒！ 自転車に跨り下り坂を疾走する。歩かなくても進むってすごい！自転車ってすごい！！まさに感無量だった。 流れる景色を横目に「このために僕はお遍路をして山に登ってたんだなー」なんて事を思った。 そういえばさっきの看板に「焼山寺まで26キロ」とか書いてあった事を思い出したが、 とりあえず今は忘れる事にした。 
ありがとう重力[10:13] 
ありがとう大自然[10:23] 
民家が増えてくる[10:29] 
川だ[10:32] 
青いなー[10:36] 七夕標識に沿って村の中を走っていくと、道路の路肩に机を置いて何かの作業をしている おばちゃんたちに会った。「何してんすかー」と僕が聞くと、どうやらこの町では 七夕を旧暦で行うらしくって、今日がその日だと言うのだ。なるほど。机の上には短冊らしき 長方形の紙が散らばっていて、机の横には立派な笹が横たわっていた。 七夕かー、ロマンチックだよなー1年に1回しか会えないなんてなー。せっかくなので 
書かせてもらいました。[11:04] 
仲良し[11:03] 町を出てからは比較的平たんな道が続く。鮎食川という川に沿ってどんどん走る。 
さらば神山（町名）[11:26] 
まだそんなあんの･･･[11:34] 
トンネルを抜ける[11:35] 川しばらく走っていくと、道路沿いに流れる川で川遊びをする人がちらほら目に入るようになった。 この炎天下で川遊びはさぞや気持ちがいいだろう。服は汗だらけで気持ち悪いし、腕は 日焼けした肌が剥がれ始めて垢だらけになっている。今川で泳げたらどんなに気持ちがいい事か。でも僕はお遍路をする身、 川で遊ぶ暇なんか 
／ないんです！！＼ 
これを渡って向こう岸に行ってから川に下ります[11:41] 
こういうトンボがたくさんいた[11:45] 
橋を横から見たとこ[11:51] 
「泳げないぜえ」[11:55] 
冷たくて気持ちいい！[11:56] 
携帯の防水機能をフル活用[11:57] 
鮎とかおらんかな[11:58] 
モテモテ[11:59] 二度目の登山しばらく走ると徐々に上り坂になり、漕いで登るのは難しいほどの傾斜になったので、 また自転車から降りて押して登る事に。こうして今日二度目の登山が始まった。この山を 登りきればお寺に到着で、そしたら後は下るだけだ！気合を入れなおして登る。でも
あと6キロもあんのか･･･[13:01] 
バス遍路の団体さんたち[13:19] 大きな杉の木の下で1時間ほど歩くと杖杉庵（じょうさんあん）という所についた。大きな杉の木が道路の脇に生えていて、 その下にはちょうど座りやすい高さの石垣があった。そこに座って昨晩スーパーで買ったようかんを 食べる事にした。
どっこらしょ[14:10] おいしい！！疲れた時は甘いものと相場が決まっているが、まさかこれ程とは。ようかんが 胃に入った瞬間胃液で溶かされ吸収され、糖分が体中の血液に行き渡るのが感覚で分かる。 今度は肩を小刻みに震わせて一人感動していると、おじいさんがやってきた。 彼もちょうど休憩を取ろうかと思っていたらしく、僕の隣に座って二人で話しをする。 彼は神戸出身で、外国を旅行するのが趣味だという。これまでにも覚えきれないほど多くの 国を回ったそうだ。驚いた事に、なんと四国遍路は今回で77回目だという。 そんな逸話を聞きながら僕は、彼の仙人のような髭を見て「頼んだら触らせてくれるかな」なんて考えていた。 全体的に物言いはキツいが面白いじいさんで、馬が合った。（でも「髭触らせて」は言えず終いでした。） しばらくじいさんと話していると、今度は二人のおばちゃんが向こう側からやってきた。 そして僕は目を疑った。 聞けばおばちゃんらはお遍路の途中で、この道の先にある焼山寺にはもう行ってきた らしいが、それにしては服装があまりにも軽装なのだ。部屋着のようなシャツとショートパンツ、 靴は本当に簡素なもので、更に驚いた事に二人はバッグを背負っていたのだが、 さすがにリュックはあるんだなと思ってよく見ると、背負っているのは何と手提げ鞄であった。 「日本の女性は、美しい。」そんなキャッチコピーをテレビのCMで何度か目にした事があったが、 どっちかっていうとビューティフルよりストロングだよなあ。そう思わずにはいられなかった。 僕は「おばちゃんらすげえなー」としきりに賞賛していたのだが、じいさんは「山を舐めとる」とかなんとかで ちょっと怒り気味だった。 おばちゃんら二人は山を下っていき、大分疲れも取れたので、（というかおばちゃんのインパクトが強すぎて 忘れてしまった）、登山を再開することに。途中まで髭のじいさんと一緒に歩き、途中で道が登山道と車道に 別れたので「寺で会いましょう」と一度別れる事に。そこからまたひたすら押して登った。 坂の終わりしばらく登ると、「焼山寺まで残り2キロ」というような内容の看板が目に入った。2キロ。今年の春に体育の 授業で行った1500m走は、1周200mのグランドを7週半したから、何だ、あれを10周するだけじゃないか。 でも自転車押さなくちゃいけないし荷物も多いし、何より平たんな道じゃなくて上り坂だから、実際は 20周くらいの労力は使うかもしれん。20周なんてほとんど30周と同じようなもので、30周は言ってみれば 50周の親戚のようなものだから、これから学校のグランド50周したら寺に着くという事だろう。 なんてアホな事を考えてるうちに、ある看板が目に入った。 
おおお！！[14:49] 相棒の自転車は信じられないくらい重く感じられ、 ようかんで何とかごまかしていた空腹も先ほどから声高にその存在を主張している。 どことなく意識もぼんやりとしてきたような気がするし･･･。 たった300mが果てしなく遠い。それでも無心で足を動かし続け、 
念願のブランコを発見！！ というのは冗談で、ついに12番のお寺に到着した！ 
禅宗のお坊さんお遍路さんに対してはいつも自分から絡むので、少し驚いた。更に、いかにもお坊さんお坊さんした 格好をしているので、まさかお坊さん？と聞いてみたら、やっぱりお坊さんだった！話によると、彼はこれまでにも四国遍路を何十回と回ったらしい。 はー･･･。さっきのじいさんといい、 みんな回りすぎ！まだ1回目の自分が情けなく思えてくる。気になったので宗派を聞いてみると、 彼は禅宗のお坊さんらしい。えーっと、座禅するやつでしたっけ？ 禅宗には少し興味があったので、少し興味のある話しぶりをすると、見る見るうちに嬉しそうな顔つきになって 禅について一の質問をすれば、十の回答が返ってくるような次第であった。 彼の話はとても興味深く、念願の焼山寺に着いた事を すっかり忘れて聞き入っていたのだが、別れ際に彼は、「只管打坐(しかんたざ)」という言葉を 僕に教えてくれた。 これは、「ただひたすらに座禅をする事」を指す言葉だそうだ。そしてこうも言った。 「君はお遍路をしている最中に『なんでこんな事をしているんだろう』と考えた事があるかもしれない。 だけど、理由を考えちゃいけないんだ。ただひたすら歩く事が大事。」 そんな内容の事を言って、彼は去った。 シカンタザかー。聞いたばかりの言葉を頭の中で 何度も反芻し、彼の言った「理由を考えるな」の意味を考えた後、山門をくぐる。そういえば、 お遍路の作法として、山門をくぐる時には一礼をしなくてはならないのだが、この時僕のした一礼は、 多分これまでの人生で一番美しく、真摯な礼であったと思う。そうして山門をくぐり、境内を歩いて回る。
なぜかあったブランコ[15:25] 
屋根がスベスベだ[15:26] 
縄張り争い[15:27] 
かっこいい[15:33] そばを啜っていると団体のお遍路さんがやってきた。 そのうちの一人のおばちゃんに「どうもー」と話しかけると「若いのに偉いねー」と褒められ、いい気になる。 お遍路を70回回ったというおじいさんもいて、その方に金色に輝く納め札を頂いた。ご利益がありそうだ！ 頂いた納め札を大事に財布にしまい、食堂を出た。 
携帯は圏外だった[16:00] 数分後、そこにはすごいスロースピードで下る僕の姿があった。理由は簡単で、スピードを出しすぎると 危ないからだ。いくら柔道で受身を覚えたからといって、ヘルメットなしで急スピードで坂道を疾走するのは 危険すぎる。それに僕にはそんな事する勇気も、走り屋としてのプライドもない。 そんな訳で両手のブレーキを目一杯効かせてとろとろと下った。 だけどやっぱり上りに比べれば遥かに楽で、あっという間に七夕をやった町まで着いてしまった。 自転車で山のお寺を参拝する時は上りが全てだと言ってもいいだろう。 拍子抜けするくらいあっという間だった。 金物屋のおっちゃん町に着いたがまだ安心はできない。暗くなる前に宿を探さないと色々と困った事になる。地図を頼りに 町を走り回る。途中、金物屋さんが目に入ったので荷台のネジを何とかしようと思って中に入る。 すると奥から店主のおっちゃんが出てきたので、ネジが欲しいことを言うとお店の奥から様々なネジの入った 箱を持ってきてくれた。そして荷台のネジ穴を見て大きさを見繕い、適当なネジで しっかりと固定してくれた。お金を払おうと財布を出すと、おっちゃんは「いいよいいよ、こんなネジくらい」と言った。 お礼に納め札を渡して、何度もお礼を言って、お店を出た。 星空のキャンプしばらく走ると道の駅に着いた。そこで近くにキャンプ場があることを知り、 今夜はそこで泊まる事に決める。ちょっと走ってキャンプ場に入り、受付でお金を払い、 指定された場所にテントを建てる。
テントの組み立て講座 
①ザッ 
②シャキーン 
③バッ 
④バサッ 
⑤ビローン 銭湯を出てキャンプ場に戻る。そういえば受付の小屋の中に小さな売店があったな。何かお菓子でも 買おうかと思ってその小屋に入ると、受付のおっちゃんが外国人の男女二人組と会話しているのが目に入った。 ノーマンとブレンダ売店の商品を選ぶ振りをして三人のやり取りを盗み聞きする。すると、 どうやら英語圏出身らしい二人は温泉（僕が行ったとこ）に行きたくて、 その場所だとか値段だとかが知りたいのだが、彼らは日本語がほとんど話せないので 質問が伝わらず困っているらしいことが分かった。で、おっちゃんもおっちゃんでテンパっていてなんだか修羅場だったので、ここは僕の出番だと 「あ、僕少しなら英語できるんでｗｗ」と割って入って通訳を買って出た。 数分後、そこにはおっちゃんと一緒になってテンパってる僕の姿が。 「これでも僕は現役の受験生だ、場所と値段くらいサラサラッと通訳してみせる！」 と意気込んで試してみたが、授業で詰め込んだはずの単語は一切頭に浮かばず、 結局しどろもどろになりながら何とか場所と値段を伝えた。「ええー･･･」というようなおっちゃんの視線が痛かった。 二人は満足してお礼を言ってきたが、このままでは僕の立つ瀬がない。 「よければ英語を教えて欲しい」と素直に二人に申し出てみると、快く 承諾してくれた。それどころか「私達にも日本語を教えて欲しい」とお願いされてしまった！ こうして僕達は二人のテントの横に座り込み、満天の星空の下、お互いに言葉を教え合う事になった。 二人のうち、男性の名前はノーマンといい、女性の名前はブレンダといった。確か夫婦だったと思う。 共にアメリカのオレゴン州出身で、ビールが大好きだそうだ。 名前を聞かれたので「小川」と答えるも、ちょっと発音し辛かったみたいなので、「もうオーガでいいよ オーガで」と言うと、その通りに呼んでくれた。が、少し経つとノーマンはすぐに僕の名前を忘れて しまうので、「ちゃんと覚えといてよ」みたいな事を言って笑った。 しばらくすると、ブレンダは自分のバッグから薄い辞書を取り出し、それを僕に渡してきた。 そして英語で「○○は日本語で何と言うのですか？」を連発してきたので 辞書で探してみるのだけれど、その辞書があまりに簡単なものだったからほとんど載っていなかった。 なので、日本語で「これは駄目な辞書です」と言ってから、 その意味を「This is a bad dictionary.」と英語で教えると、 二人して「コレハ ダメナ ジショデス」と復唱していた。 ･･･間違った日本語ではない･･･はず･･･。･･･自信がない。 会話できてんのかできてないのか分かんないようなやりとりを続けていると、 キャンプ場の中央にある広場から、楽しそうな歓声が上がった。どうやらキャンプに 来ている家族連れのグループが花火を始めたらしい。「見に行こうぜ！」と三人で広場に行き、 花火を見ながら話す。しばらくすると、受付にいたおっちゃん（このキャンプ場の管理人）が来た。 彼は落ち着いてさえいれば英語を話せるようで、彼も交えて４人で話していた。 親子連れの花火が終わり、そろそろ眠たくなってきた頃、二人は「そろそろ寝るよ」と言ってきた。 別れ際に二人の住所とメールアドレスが書かかれた紙を渡された。おお！家に帰ったらメール送ってみよう。 二人がテントに戻って広場に残ったのは僕とおっちゃんだけになった。 おっちゃんに「あれが○○座で･･･」といくつか星座を教えてもらった後、 僕も自分のテントに戻って今あった出来事をMP3プレイヤーに向かって喋った。 その後、ふとテントから首を出してみると 空には満天の星空が広がっていて、すごく綺麗だった。 でもこういうのって一人で見てても つまらない。やっぱり誰かと一緒に見たいなあ、なんて事をしみじみと思いつつ、寝た。 
おやすみなさい[21:52] 一日の走行データ
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