4日目−8月4日（月）− | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
起床早朝六時ごろに目が覚め、もそもそとテントから這い出る。朝日が眩しい。 歯を磨いて体を動かし、テントを畳もうとすると、テントの裏に朝露がびっしりとついていた。が、 特に気にせずそのまま畳んだ。そういえば昨晩の二人は既に出発しただろうか。彼らの 事を頭の片隅で考えつつ、出発した。さて、何をするより先にまずは朝飯を食べなくてはならない。 少し道を引き返した所にあるコンビニへ行き、おにぎりを買って食べる。 腹も膨れたので次のお寺へ向けて走り出す。 しかし、何だかどうにもペダルが重いように感じて仕方がない。 さっきのおにぎりで太っちゃったんだろうか。うーん。 よくよく考えてみると、そういえばテントに水滴がびっしり ついたまましまっていたことを思い出した。あれか！このまま走るのは得策ではないので、 目に入った無人洗米機の前に自転車を停め、テントを乾かす事にした。 
自転車って便利[7:21] そこで気付いた。ただ僕が昨日の疲れを残していているだけで、自転車とか荷物に問題がある訳では ないという事に。あれだけ歩いたんだからそりゃ疲れも残るよ。 こればかりはどうしようもないので、自転車から降りてのんびり歩いていると、下り坂になった！ 早朝の涼しい風を受け、なぜか頭に浮かんだおジャ魔女ドレミの歌を口ずさみながら下った。 
うるさーいなんてね火山が大噴火[8:27] 
家が沈んでるように見える[8:54] ちくわの兄さん達との出会い二人はちくわを食べていた。しかも、とてもおいしそうに。何を話すべきか考えあぐんでいると、 青年のうちの一人が「これ知らんおっさんに貰ったんだけど、君も食べる？」と 僕に包装された棒つきちくわを一本差し出してきた。お礼を言って受け取り、食べる。 おいしい！ちくわってこんなにおいしかったっけ？僕がおいしそうに 噛り付いていると、おいしさを共有できたことが嬉しいのかお兄さんらも嬉しそうな顔をした。 ちくわによってすっかり打ち解けたので、横に座って話を聞いた。彼らは驚いたことに 初めから二人でお遍路をしている訳ではなく、旅の途中でばったりと出会って なんだか意気投合しちゃっての二人旅だという。すげー。 そういえばお遍路初日に出会った男女もお遍路で知り合ったと 言っていた。知らない人と旅をするっていうのもよくよく考えてみればすごい事だよなあ。 ちくわのお礼を言い、その場を去る。 お寺めぐり奥歯に残ったちくわの皮を舐めて楽しみながら走っていると、奥に休憩所が見えた。
「おやすみなし亭」[9:20] 
すごくおいしい[9:22] 休憩所を出て走ること数分、13番の大日寺に着いた。 
[9:31]
そんな感じで何とか14番のお寺に到着。 
[10:14]
緑のアフロ木がシンボル[10:16] 
[10:39]
名古屋銘菓「なごやん」を髣髴させる造形[10:38] 
途中見つけた休憩所[10:57] 
ネットができる！と思ったらモニターだけだった[11:02] 
[11:35]
映った！[11:48] 無駄な労力を費やす事に後悔を覚えるが、この引き返しによってこの先出会う人間がガラッと変わる と考えると、これもまあいいかななんて自分を納得させて走った。 
[12:13]
大きい道路を走る安心感[13:18] 席に座り、ハンバーグを頼む。そういえば一人でファミレス来るのは初めてかもしれない。 「臭くないかな」と自分の服の臭いをかぎ、ウッとなり、気付かない振りをしていると 店員が料理を運んできた。 
うまそう[13:40] 店を出て、ひたすら走る。 ボトルゲージを買おう大通りを走っていると、道路の向かい側に結構大きな自転車屋が見えた。そういえばボトルゲージが 小さすぎてポカリの１Lボトルが入らず肩身の狭い思いをさせていたので、いい機会だと大きめのゲージを 探す事にした。店内でちょうどよさそうなのを見繕って購入。お店の駐車場で取り付ける。おお！今まで持て余していて 仕方なくバッグに詰めていたポカリのボトルがすっぽり入る！ これでバッグの容量も空いたし、居場所を見つけたポカリボトルもどこか嬉しそうだ。今まで以上に 働いてもらうことになるだろう。よろしく！ 都会を走る自転車屋を出て走行を再開する。信号待ちをする時に喉が乾いている訳でもないのに意味なくボトルの 水を飲み、自転車乗りを装う。ふと辺りを見回すとそこは大都会。ビルだらけ人だらけで、 田舎育ちであまり都会が得意ではない僕は逃げるようにして徳島市を走った。
車道は怖いので歩道を走る[14:55] 
持っていたカロリーメイトをぼそぼそと食べる[15:28] その後なぜか打ち解けてしまい、ここの金物屋は既に移転していて営業していない事、そして この道路の先に移転した新しいお店がある事を知った。親父さんは「お店の規模も大きくなった」と 嬉しそうに話していた。僕も「すごいっすねー」なんて言って相槌を打った。 だいぶ疲れも取れたので、親父さんに礼を言って自転車に乗って走り出した。 
山地の川と全然違う[15:49] 
アリみたい[15:51] 
日が傾いてきた[15:55] 
[16:29]
民宿に着くと、部屋に案内された。部屋を見て驚く。エアコンが有料なのだ。スーパーのレジ袋有料化とかは 何度か耳にしたことがあったが、まさかエアコンまでとは･･･。宿の人に何度も謝って、キャンセルする事にした。 これからはちゃんと電話で確認しなくちゃな･･･。悪い事をした･･･。 このあたりにはもう宿はないので、とりあえず次の19番のお寺まで向かってみることにした。辺りは徐々に 暗くなってきていて、少し焦る。商店街のような通りに入ったところで一人のおっちゃんが話しかけてきた。 おっちゃんは酒屋を営んでいるらしく、証拠に右手には缶ビールを持っていた。顔は既に真っ赤だ。 「店で売れんから自分で飲むしかないんよ」と笑っていた。僕もつられて笑ってしまったが、いいのだろうか。 「泊まるんなら駅がええよ」と近くに無人駅があることを教えてくれた。お礼を言って去り、その 駅へ行ってみたが、なんだか人の通りが多くて眠れそうもないと判断して他を当たることにした。 泊まる場所を探しているとなんだかんだで19番のお寺に着いてしまった。だが時刻は午後5時を過ぎている ので参拝はできない。とりあえず山門の前に自転車を停めたところで、お兄さんとおばちゃんに出会った。 山門前にてお兄さんも僕と同じ、自転車でのお遍路をしているらしく、これまでに何度か見かけたことがあった。 何度か話したこともあった。確か大学の夏休みを利用して来ているとかだったと 思う。おばちゃんの方は全然知らない人で、誰かと聞いてみたら、お寺で納経をする係の人らしい。 なんで一緒にいるのかは分からないが、二人とも気のいい人だったので話しをする。と、なぜかおばちゃんは 僕にアイスを奢ってくれた。フルーツの果実の入った、すごくおいしいやつだ。お礼を言うと、おばちゃんは 家へ帰っていった。お兄さんも「予約した宿がずっと先にあるんだ」と、疲労感を漂わせた笑みを浮かべて 去っていった。 駅からだいぶ離れたところに、小さな公園を見つけた。滑り台とブランコぐらいしか遊具のない本当に 小さな公園だ。既にあたりは真っ暗で、これ以上うろつくのはまずい。という訳でここで野宿することに。 テントを張って寝ようとするが、蒸し暑くてとても寝れたものではない。仕方ないので近くのローソンに 行っては凍ったお茶を買い、抱いて眠り、溶けた頃に起きてまたローソンを何度か繰り返して夜が 明けるのを待った。 一日の走行データ
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